指頭画家 竹中宗指展 「祈り」
   
   

2009.5.8
   
   

    
    
    
歴史情緒ただよう菊水楼。その一角にあるギャラリー…今回は竹中宗指(たけなか そうし)先生に指頭画についてお話をお伺いできるとあって少し緊張… 5月6日まで開催されていたギャラリーには竹中 宗指先生の作品がたくさん展示されていました。先生の創作スペースもあり、タイミングが良ければ描いている様子も実際に見ることができるんです。絵だけでなく、文章や文字も全て指で書かれている。筆とは違った奥深さに感動。

指頭画とは…
筆を使う代わりに指や爪、手のひらや拳を使い描く絵。長く伸ばした指の爪に墨を含ませて描く。そのようにして出来上がった絵のことを指頭画、あるいは指画、指墨などと呼ぶそうです。

指頭画には通常、絵の具として水墨が用いられるんだって。指の各部を織り交ぜて、細く硬い線から太く柔らかい線まで実に多彩な線が表現されていて、場合によってはひじまで使うことも。手のひらに墨をつけて絵を描いた例は唐の時代らしいんだけど、その時の作品は残っていないんだって。17世紀、清の前期になると、高其佩という画家が登場して彼によって創始された指頭画が江戸時代の日本に伝えられ、日本の指頭画の祖といわれる柳沢淇園(やなぎざわきえん)から池大雅(いけのたいが)に受け継がれ、大成したのが始まりだとか…。

奈良市に寄贈された1枚。竹中宗指作 東大寺の大仏 。

指頭画のお話も聞き、今から実演して頂けるとの事。子供の頃から絵を描くのは好きだったが、決して優秀ではなかった。あの頃は、のみ込みの速い早い者が”秀才”と言われていた時代だった。4歳の頃、カメラに出会い、のちにカメラマンの職に就くことになるが20年ほど前、事故にあい生きる喜び、手が動く喜びを実感した。その後、指頭画の道に進む。今も作品を描く前に、感謝をかみ締め”合掌”する。

絵の具として用いられる水墨。濃さで作品の表情も変わる。時には拳や掌の全体を使って力強い線を描く。2010年「平城遷都1300年」という記念すべき年を迎えようとする古都奈良を全国に伝えようと様々な提案をされている。

人と逢えるのも命あってのこと。お互いに電波が行き来しあう程の運命的な出会いを大切にしたい。制止の境を超え、今、天地(あまつち)の恵みに感謝し、人々の幸せを心として描く。 作品に関するお問い合わせ(奈良県奈良市芝辻町2丁目11-23 0742-33-5056)

竹中宗指 東田恵美
   
   

勢納 健文
   
   

菊水楼 ギャラリーあしび
奈良県奈良市高畑町1130(春日大社 一の鳥居前)
0742-23-2038
TOPへ戻る